IT会社の経営者にわかりやすく、新入社員教育について説明してみる。教育は投資なんですよっ!!

仕事・働き方
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新入社員が入社して3ヶ月くらいするとそろそろ現場に配属して稼いでもらいたいと思うSIer会社(システム開発会社)の経営者は思いますよね? 「もう新人はみんな配属された!!」なんて喜んでいる経営者の方もいると思います。

孫請けのSIer会社の多くは、大手SIer会社にSEやプログラマーを派遣して”人月いくら”で契約して商売をしているところが多いと思います。社内教育を行ってOJT(オンジョブトレーニング)を兼ねて大手SIer会社のプロジェクトに新入社員を配属できて良かったと経営者は思っていますよね? 派遣先から人月単価分の売上が予想させます。こんな美味しい商売はない!!

でも、そんな経営者の考えで会社を潰すことになる可能性を高めることになります。

新入社員は”OJT”だけでは、一人前のプログラマーやSEにはなりません。それだけではなく、御社のエース級の社員が辞めていってしまいます。

会社を大きくしよう、人数を増やそうと思っているなら、新入社員を育てる教育を行ってください。新入社員の教育に必要な時間と費用は将来のための投資。費用をかけずに育つ社員は辞めて他の会社に転職してしまいますよ。

今の売上を取るか、会社の将来を取るか二者択一です。会社の将来のために社員教育に投資を行ってください。今、IT業界は空前の人手不足。できるプログラマーやSEは、40歳、50歳でも転職が可能な時代です。経営者は危機感を持った方が良いですよ!!

10年前とは取り巻く環境が違う

10年ひと昔と言いますが、IT業界の技術や環境の移り変わりは早く、開発言語も開発スタイルも5年前とは大きく異なります。10年前にこれだけスマホやタブレットが普及すると思っていましたか? 当時、スマホやタブレットの普及を予想して投資を行うことができていた会社は一気に成長していますよね。

経営者が、10年前と同じ考えでいるのであれば、会社は現状維持どころか衰退する可能性が高い。現場の人間から見ると10年前と環境が大きく変化しているのに経営者は気付いていないと感じます。

開発期間の短縮

今、思うと10年前はのんびりと開発をしていました。今に比べるとシステム開発の予算も多く取れたので開発期間も長く、開発する人も多くプロジェクトに余裕がありました。

今は同じ規模の開発プロジェクトに掛けられる予算は半分、そして納期は3分の1くらい。技術的進歩もありますが、これだけ不景気だとユーザーからベンダーに大きなお金が動きずらくなっているから。

本来なら品質重視で考えてもらえれば良いのですが、システム開発も価格競争、短期間での納入が当たり前になっています。まあ、そうですよね。不景気なので設備投資にお金をあまりかけたくない。今、使っているシステムで運用ができているのに新しいシステムを高い金を出して作ろうと考える経営者はいませんよね。

ただ、機械の更新をどうしても行わないとイケないから開発をするようなお客様は、安く早い方が良いに決まっています。そうすると仕事を取るためには”安く・早く”しなければなりません。

なので開発期間が短くなっています。

開発言語の進歩

10年前はC言語を使った開発プロジェクトが多くC言語を使えれば、色々なプロジェクトを渡り歩けました。でも今はプロジェクトによって多種多様な開発言語を使っています。10年もIT業界にいる人間からすれば言語が変わろうがロジック、考え方は同じなので言語が変わっても対応できます。(できるハズです)

ただ、新しい言語や開発スタイルに対応するためには、10年前に比べてインプットする量は10倍くらいの量が必要です。インプットの量が10年前と同じだとプロジェクト間の移動が難しくなってきます。昔、よくコボラーと言ってCOBOLしか出来ない人は仕事がなくなる。と言われていましたよね。ソレと一緒でC言語しかできないとか、Javaしかできない技術者は今後、コボラーと同じ運命を歩んでいくことになります。

今の30代、40代ができる理由

今の30代、40代の技術者が育った環境は偶然良かっただけ。10年前や20年前は、1つの言語を覚えれば使い物になったのとプロジェクトのライフサイクルが長く、”OJT”で教える上司や先輩も時間的に余裕がありました。

当時は、少ない技術を長い時間をかけて丁寧に勉強できる環境があったんですね。だから”OJT”としてプロジェクトに参加しながらでも育つことができたんです。

それだけ余裕があった時代にできなかった人たちは辞めていっていますよね。30代、40代の技術者ができるのではなくて『できる人』しか残っていない。

10年前に比べて、今の新人や若い技術者は覚えることも多いし、教える方も時間的余裕がなくなってきています。社員を育てるには、10年前と同じ教育ではムリなんですよ。

IT会社の経営者の勘違い

コレだけ環境が変わっているのに中小SIerの経営者は10年前と同じ教育で社員が育つと勘違いしています。10年前は社内教育として社会人のマナーくらいを教えてプロジェクトに放り込めば現場のリーダーが新入社員を一人前に育ててくれました。その技術者が今の30代、40代の社員。

その下の年代は、あまり育ってきていないと思いませんか? 中には育つ技術者もいますがそう言う子は例外です。どの会社にいても勝手に育っていくタイプの人間です。

特にココ5年くらいは、辞めてしまったり、現場から使えないと言われたり、そんな新入社員が多くないでしょうか?

新入社員が辞めてしまったりする原因は、会社として新入社員を育てることができていないからなんです。勝手に育つことなんてないんです。逆に勝手に出来るようになった技術者は、教える立場になる頃には転職していきます。

なぜなら、会社に育ててもらっていないのに下を育てるために自分の負荷が上がることなんてしたくはないから。楽観的に考えない方が良いですよ。今の若者は会社のためなんて考えてません。

”OJT”でプログラマーは育たない

経営者は10年前のイメージで考えていますが、先ほどから話をしているように10年前とはプロジェクトを取り巻く環境が大きく変わっています。

採用面接で経営者が「うちは教育体制がしっかりしているから」なんて言っても実はOJTと言う名の実践研修のみ。よほど余裕のあるプロジェクトか、出来る新人じゃないとOJTだけでは新人は育てられません。

今から人材不足になってくるとより顕著になってくると思いますが、無理なOJTをしていると新人がいなくなるか、エース級の社員が潰れます

プロジェクトを完遂するためには

今からお話しするのが現場のメンバーのリアルです。

会社から「新人をお前のプロジェクトに入れて育ててくれよ」と言われると難易度の高いプロジェクトにいるメンバーは負荷でしかないんです。

なぜかと言うと新入社員は”足手まとい”でしかないから。経営者からするとプロジェクトに参加させ、派遣に出すと人月当たりの売上が立ちますよね。使えば使うほど会社は儲かる。でも現場からすると新人の作業量はマイナスでしかありません。

会社からすると安くても人月当たりいくらのお金が貰えますよね。だからかもしれませんが、経営者は0.5人分はプラスになると考えています。売上はプラスかもしれませんがプロジェクトの戦力的にはマイナスです。

新人の”OJT”を担当すると言うことは

自分のタスクをこなしつつ、新人に教育をしつつ、新人のフォローをすること

新人が作ったプログラムなんて最初から使えることはありません。そうすると現場の人間は、新人を育てることより、どうやってプロジェクトを完遂するかを考えます。プロジェクトを完遂するのがメインの仕事ですからね。

どうやって新人の面倒をみながら、プロジェクトを完遂するかというと

新人には仕事をさせないで、自分のタスクを消化することに注力する

それしか無いんです。納期やスケジュールに間に合わないとプロジェクトが失敗してしまうので、新人教育をしない選択をするんです。

育つ社員は辞めていく

それでも育つ新人がいるんですよ。そう言う技術者は自分で勉強をしてスキルを身に付けていける珍しい人間なんです。

上司や先輩が教えなくても自ら成長して行く素晴らしい人材です。でも、そんな子は将来、辞めます。「もっとスキルを磨きたい」「こんだけスキルを持っていれば給料をたくさんくれる会社に行こう」と考えます。

もう一度言います。「うちの社員は辞めないよ」なんて、楽観的に考えないでください。

会社に育ててもらったなんて微塵も感じていないですよ。だって実際、教えていないしね。

出来ない社員ほど辞めない

経営者は”OJT”で教育をしていると思っているけど時間的に余裕があるプロジェクト以外での新人教育なんてこんな感じです。だって教える側からしたら自分の負荷をあげて教育するメリットって無いんですよね。プロジェクトが解散したら、その新人と同じプロジェクトとは限らないし。

そんなほったらかしの教育をされた新人は次のプロジェクトで”出来ない子”とレッテルを貼られてすぐに会社を辞めてしまいます。経営者としても出来ない奴に給料を払わなくて良いので変な話『win-win』。

そんな”OJT”で育つ人たちは会社を辞める候補。そうじゃなく、ソコソコこなすタイプの新人が一番、厄介なんです。仕事を一生懸命やらなくてもお給料が貰えると言うサラリーマンのメリットに気付いちゃうんです。

出世もしなくても良いし、昇給もしなくても良いから、スキルアップも必要ない。怒られない程度に働けば良いと考える無気力社員です。今は良いけど数年後、問題になる出来ない社員。この人たちは辞めないんです。

間違った新入社員の教育

何かが間違っていると思いませんか? 経営者からすると現場でしっかりと教育をすれば良いだろ!! と思うかもしれませんが、実際のプロジェクトではそんなに余裕がありません。10年前に比べて、短納期だし、メンバーも少ないので振られるタスクも多いから。そうすると新人教育とプロジェクトの完遂を天秤にかけ、プロジェクトの完遂を取りますよね。仕事なので

新人教育も大事な仕事だと言うのは理解しているのですが、新人を教育する時間が取れないんです。新人教育のために残業したり、休出したりしたくはない。見返りがないですからね。

新人を”ほったらかし”にする根本的な理由は最低限のスキルがないからなんです。新人がプロジェクトに入って1人月働けなくても良いんですが、”OJT”をするにはマイナスにはならないスキルが必要なんです。

”OJT”は仕事の流れを覚える教育

OJTは仕事の流れを覚えるには良い教育スタイルだと思います。先輩や上司と一緒にプロジェクトを経験することで仕事の流れを学べます。でも何も出来ない新人は雑用と勉強以外はやることがない。

例えば、設計の工程でプロジェクトメンバーが仕様書を書いたりしていても、設計書を書けるスキルがなければ参加できない。製造工程でプログラミングスキルがなければ製造に参加できない。テスト工程は言われた通りにテストをこなすだけなので少しは戦力になるかも。

ある程度、スキルがないと”OJT”は時間の無駄なんです。新人にスキルはつきません。

ここで問題なのが、そんな新人でも人月当たりの売上が立つこと。
売上が立つから経営者は”OJT”で育てるって言うんですよね。新人が育たなくても売上になるからね。

”OJT”に大切なマネジメント

今の時代だからこそ、”OJT”を行う上で必要なのはマネジメントなんです。

  • 新人のスキルはどの位か
  • 受け入れるプロジェクトメンバーのスキル、負荷はどうなのか
  • 対象のプロジェクトの難易度はどれくらいか

最低でも、このくらいの要因についてはマネジメントをして新人を教育しなければなりません。プロジェクトを完遂するための『ボトルネック』になる要因が分からない経営者が多いと思います。

新人のスキルやセンスはどれくらいか? プロジェクトメンバーに余裕があれば良いですが、足りないのであればOFF-JTで教育をしてからプロジェクトに参加させる必要があります。新人なんて戦力的にプラスにならないんです。できるメンバーの負荷をあげてそのメンバーのタスクがこなせなければ、プロジェクトは失敗に終わります。

”OFF-JT”+”OJT”で新入社員が育つ

そうならないようにするためにも、最低限のスキルは”OFF-JT”で教育する必要があります。

「設計って何?」

「プログラミング?何それ?」

そんな状態の新人の面倒をみるメンバーは負荷でしかありません。

”OJT”で教育するためには”OFF-JT”でスキルをつける必要があります。OFF-JTを社内で行うためには、できる社員を仕事をさせず、教育に専念させる必要があります。そのためには時間とお金が掛かります。

社員教育は投資

中小企業のSIer会社の経営者の多くは「教育になんてコストをかけてられない」と思っています。しかし、せっかく取った新入社員が辞めたり、エース級の技術者が転職をしたりした方が痛手ではないでしょうか。

社員の教育は将来の会社のための投資です。社員を育てると言いながら、売上を落とすなと言うのは、おかしな話です。新人を育てるのであればエース級の技術者に教育をさせる必要があります。そのエース級の技術者の売上を確保しながら教育をすると言うことは、エース級の技術者に「倍働け」と言っているのと同じです。

そうじゃなくても出来る技術者は、プロジェクトでも難易度の高いタスクを振られているんです。さらに売上を落とさず、新人を育てろなんて言うから、出来る技術者が辞めていってしまうんですよ。

経営者が変わらないと潰れる

経営者はどうしても目先の売上ばかりになってしまいます。でも社員を教育していかなければ将来会社は存続できません。10年前と同じ育て方は出来ません。

一人前のSEになるには3~5年の時間が必要と言われています。「期待できる人には業務時間内にしっかりとした教育をしたい」という経営者でないと会社を存続できないのではないでしょうか?

気付いている社員は危機感を持っている

仕事ができる技術者は『そろそろOJTのみで教育をしていると言っている会社』は危ないという現実に気付いています。そんな技術者はどんな行動をとると思いますか?

しっかりとした教育体制を持っている会社や待遇の良い会社を探し始めていますよ。何度もお話ししますが、楽観的に考えない方が良いです。5年前と比べてもSEやプログラマーは転職がしやすくなっています。これからは、さらに転職が活発になってきますよ。なぜなら、人手不足で超売り手市場だから。仕事ができる技術者は40歳を過ぎても転職の市場が開いています。

残るのはゴミ社員

お話ししたような教育を行っている会社では、新人は辞めてしまいます。そしてエース級の技術者も辞めてしまいます。残るのはスキルを身に付けようという気もなく、会社に行けばお給料が貰えると思っているゴミ社員だけになってしまいます。

そんな社員ばかりの魅力のない会社はどうなりますか?

まとめ

10年前と同じ考え方で社員教育をしても社員は育たなくなっています。これから労働者人口が減り、ますます社員の確保が難しくなります。

会社を存続するために教育を新入社員の立場、社員の立場で考えられる経営者しか生き残れません。

入ってくる人材が少なくなり、出ていく人材が多くなると会社に残る人材は少なくなります。最悪リソース不足で経営が成り立たなくなります。そうならないためにも教育体制を見直してください。

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